それは今思い出しても背中から冷汗が出ます。
聞こえないから起きた大失敗です。
あれは、アメリカ西海岸に駐在して、1週間目の話です。
朝早くから夜遅くまで楽しく(?)アメリカの上司と喧嘩しながら
仕事をしていた。<注:会話は英語です>
上司いわく
「遅クマデ働クノハ能力ガ無イカラダ!」
「ジャア、誰ガコノ仕事ヲ引受ケルノダ、日本ヘ帰エロウカ?」
「!!」
と上司をやり込めた私は、気分良く会社の駐車場へ向かい、
帰途についた。
その帰り道で思いもよらぬバチが当たってしまった。パトカーが
私の後ろについてパトライトを回しているがサイレンは鳴らして
いなかった。少し徐行したが、なぜか追い越していかないので、
不思議に思いながらもそのまま運転を続けた。するといつの間
にか私の車の周り前後左右をパトカーが4台囲んでいた。気が
つくと5台目のパトカーが、なんと進行方向に対して道路をふさ
ぐ様に止まっていた。仕方がなしに車を止めると5台のパトカー
からポリスが降りてきて私に銃を向けているではないか!!
これってマジーーー!?!?!
私はパニックになった。その時、初めて私がターゲットだと分
かった。そして銃を構えたポリス達がジリジリと私の車に近づい
てくる。
「下手に動くと銃で撃たれるなー」
とつぶやきながら両手でハンドルをつかみじっとしていた。
次の瞬間、ポリスが車のドアを開け、
"Get out from car slowly!"
(ゆっくり車から降りろ)
"OK"
車から降りた瞬間に、腕を締め上げられ、道路に押し付けられた。
”You are under arrest of fugitive and speeding violation."
(おまえを逃亡罪及びスピード違反で逮捕する。)
"How many miles speeding over ?"
(何マイルオーバーか?)
"5miles."
(5マイルだ)
注:制限速度は時速35マイル(56km)に対して40マイル(64km)
で走行していた。
"Drivers Lisence please"
(免許証を見せろ)
"Relase my arms please, then I will show you.."
(腕を離してくれ、それから見せる)
そこで私の脳裏にあわててジャケットから免許証を見せようとして
撃たれた日本人がいると聞いていたのでゆっくりとジャケットの裏ポ
ケットをポリスにみせた。するとポリスが銃を構えなおしたので私はさ
らにゆっくりと裏ポケットに手を入れ国際免許証を渡して、両手を
挙げた。
"Are you come from Japan.?"
(日本からきたのか)
"Yes. I am deaf.
(そうだ、耳が聞こえない)
箱型の補聴器を指差した。
You seems nice guy, so we will release you.
(見たところ、悪そうな奴では、ないので釈放する。)
"Take state dreivers license as soon as possible!”
(しかし、すぐに州の運転免許を取るように!)
とポリス達は去っていった。
去り行くポリスの後姿を眺めながらほっとしました。
注:パトカーからの停止命令は、車のエンジン音がうるさくて
補聴器では聞き取れないのです。またスピーカの声はこもって
しまい、よけい聞き取りにくいのです。
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